啐啄(そったく)とは
社名の『そったく』の由来は、 漢字で書くと「啐啄」 。
啐は卵の中の雛が孵(かえ)ろうとして中から殻をつつく音。
啄は、親鳥が雛の行動に反応して外側から殻をつつく音。
どちらの字も「コツコツ」といった音を示す感じでしょうか。
卵から雛が孵るとき、内側から殻を割ろうとするだけではなく、同時に親鳥も殻をつついて雛が孵るのを助ける、という親子の協調を示す言葉です。
20数年前、佐藤綾子先生のパフォーマンス講座(http://www.spis.co.jp/)を受講したときに知った言葉です。どのような内容の講義で出てきたのか、その経緯は忘れてしまったのですが(佐藤先生、すいません)、親鳥と雛が「同時につつかないと卵の殻は割れない」ということに素直に感動してしまい、心に刻まれた言葉でした。
現在では禅の世界で転じて「啐啄同時」という熟語で使われることが多いようです。
啐啄同時:啐啄 師家と修行者との呼吸がぴったり合うこと。機が熟して弟子が悟りを開こうとしているときにいう。
(大辞林第三版より)
子どもの気持ちにより添いたい
発達がゆっくりな息子は発語も定型発達より遅く、幼児期はコミュニケーションにはマカトンサイン(ハンドサイン、手話みたいなもの)も利用しながら意思の疎通を図っていました。
発語が遅くても、意思が無いわけではありません。
日々の暮らしで、言葉を交えつつサインを使ってお互いの意思の疎通を図ることは、卵の殻の向こうにいる雛の想いをくみ取って同時に外側からつつく親鳥のように、子どもと気持ちを合わせ、サポートする日々でした。
ハンディキャップがある子どもたち、ゆっくり育つ子どもたちのための通園・通学グッズを作ろうと考えた時、思い浮かんだのは、そういった子どもたちの「あったらいいな」をくみ取り形にすることでした。
社名の「そったく」には、啐啄本来の意味、『こどもたちのひそかな声に耳を傾けたい』という親の思いを込めています。