ロゴキャラクター「スネイリーくん」 誕生秘話

みなさんは、アーノルド・ローベル著「ふたりはともだち」(文化出版曲、三木卓翻訳)という本をご存知でしょうか。
「ふたりはともだち」は、がまくんとかえるくんの友情物語のシリーズのうちのひとつですが、その中に収められた心温まる5つのエピソードの中に『おてがみ』というお話があります。
お手紙をもらったことのないことを悲しむがまくん。それを聞いた、心優しいかえるくんがこっそりがまくん宛のお手紙を書いて、かたつむりくんに配達を託したところ…、というお話です。
ほっこりした、とても心が温まるお話なので詳しくは書きません。ぜひ読んでみてください。
絵本『おてがみ』にまつわる息子のエピソード
ダウン症を持って生まれてきた長男が小学校1年生の時、在籍していた特別支援学級で この『おてがみ』を元に簡単なセリフ劇が作られました。
1年生から6年生まで縦割りのクラス、障がいの種類も知的レベルも様々な、総勢13人の小さなクラス。年に数回開かれる保護者参観日に合わせて、担任の先生方がそれぞれの子どもに合わせてセリフをアレンジして登場するキャラクターをあてがっていました。支援学級だと、おしゃべりが得意な子も苦手な子もいるので、特性に合わせてダブルキャスト、トリプルキャスト…。先生の愛情があふれる劇になっていました。
そんな中、一人で一役もらったのがカタツムリ君役の息子。
なぜなら…かたつむりの役はストーリーの最初と最後にしか出ないから。
セリフも最初の「まかせて!」と最後の「お待たせ~!」だけ。
それでも、紙で作ったお面を頭にのせて、飄々としたキャラクターを嬉々として演じていました。
劇に描かれた、のんびりやで気のいいかたつむりが、何日もかけて誇らしげに配達する姿は、超マイペースで、定型発達の子ども達よりずっと時間をかけて成長する息子の姿そのもので、あまりのはまり役にほっこりしました。
一年生なったばかり、将来が不安だらけな時期だったので、そのプラスイメージが胸にしみました。
ありのままでいいよ。ゆっくり育つ子どもの象徴ーかたつむりくんとともに
息子と同じようなハンディキャップを持った子どもたちを、少しでもサポートできたらいいな。
だれでも、どんな特性の子どもでも、扱いやすいユニバーサルデザインの学用グッズを作ろうと考えた時、真っ先に思い浮かんだのが息子が演じた、あのカタツムリ君。

童話『おてがみ』に描かれたかたつむりのように、マイペースでもベストを尽くし歩んで行けるように。
そんな思いを込めて、スネイリーくんのキャラクターが出来ました。
かたつむりのスネイリーくんは、そんなゆっくり成長する子どもたちの象徴なのです。